HITOTSUBASHI SOGO FOUNDATION

令和8年度(2026年度・
第40期)事業計画書

公益財団法人一ツ橋綜合財団の、令和8年度(第40期)事業計画は、定款に基づいた次の4つの公益目的事業を柱として20件を予定する。

公益目的事業1
文化の創造に関わる創作活動(詩・短歌・俳句)を行っている個人に対する顕彰
○「詩歌文学館賞」の主催 ―1件

公益目的事業2
文化の創造に関わる創作活動を行っている個人を顕彰すること、及び顕彰する団体への助成、後援
○文学賞など顕彰事業の実施、後援 ―5件

公益目的事業3
科学及び文化の普及発展に関する講演会等の実施、及び研究活動を行っている団体に対する助成、後援
○文化講演会の実施、学術研究の助成 ―8件

公益目的事業4
社会生活の充実及び国際交流に関わる福祉活動、実践活動を行っている団体に対する助成
○社会福祉事業の助成 ― 6件

公1 「詩歌文学館賞」の主催

第41回詩歌文学館賞選考会は令和8年3月4日に東京・一ツ橋の如水会館で開催。詩、短歌、俳句3部門の受賞作を決定した。その贈賞式を5月23日に岩手県北上市の日本現代詩歌文学館で行う。第42回の選考会は令和9年3月2日を予定している。

この賞は、現代詩歌を総合的、専門的に収集保存、また諸研究に資するための日本現代詩歌文学館創設を記念して、初代名誉館長井上靖の創意によって設けられた。本賞は現代詩歌文学の振興に寄与することを目的とする(賞の概要―要項より)

岩手県北上市「詩歌の森公園」の一角に建つ日本現代詩歌文学館

岩手県北上市「詩歌の森公園」の一角に建つ日本現代詩歌文学館

この賞は、現代詩歌を総合的、専門的に収集保存、また諸研究に資するための日本現代詩歌文学館創設を記念して、初代名誉館長井上靖の創意によって設けられた。本賞は現代詩歌文学の振興に寄与することを目的とする(賞の概要―要項より)

  • ・第14期選考委員(令和7年~9年まで)

    詩 部 門

    朝吹 亮二 川口 晴美 時里 二郎

    短歌部門

    川野 里子 小島ゆかり 島田 修三

    俳句部門

    井上 弘美 小澤 實 正木ゆう子
  • ・賞

    正賞=鬼剣舞手彫り面 副賞=3部門各100万円
  • ・主催

    日本現代詩歌文学館振興会、(公財)一ツ橋綜合財団、北上市、北上市教育委員会
  • ・後援(贈賞式のみ)

    岩手県
  • ・贈賞式

    5月23日、岩手県北上市の日本現代詩歌文学館講堂にて行う。
  • ・発表

    「すばる」(集英社刊)6月号(5月7日発売)

公2 文学賞など顕彰事業の実施、後援

2-1第11回「渡辺淳一文学賞」の共催

(賞の概要―要項より)
この賞は「豊富で多彩な作品世界を多岐にわたり生み出した渡辺淳一氏の功績をたたえ、純文学・大衆文学の枠を超えた、人間心理に深く迫る豊潤な物語性を持った小説作品を顕彰する」ため創設された。選考会は3月31日。贈賞式は5月15日に東京會舘にて開催する。

  • ・選考委員

    浅田 次郎 小池真理子 髙樹のぶ子 宮本 輝 東山彰良
  • ・賞

    正賞=記念品 副賞=200万円
  • ・発表

    「すばる」「小説すばる」ともに6月号

2-2第39回「柴田錬三郎賞」の共催

(賞の概要―要項より)
この賞は、「傑作『眠狂四郎無頼控』をはじめ、不羈の想像力を駆使した数々の作品でひろく大衆の心をうち、ロマンの新しい地平を切り拓いた柴田錬三郎氏の業績を称えて、氏の名を冠した賞を設け、現代小説、時代小説を問わず、真に広汎な読者を魅了しうる作家と作品を顕彰する」ために創設された。
選考会は9月29日、贈賞式は11月20日に、帝国ホテルにて開催。

  • ・選考委員

    逢坂 剛 大沢 在昌 桐野 夏生 篠田 節子 林 真理子
  • ・賞

    正賞=記念品 副賞=300万円
  • ・発表

    「小説すばる」12月号

2-3第24回「開高健ノンフィクション賞」の共催

(賞の概要―募集要項より)
この賞は「行動する作家として、旺盛な探究心と人間洞察の結晶を作品に昇華し続けた開高健氏の功績を称えるために政治、経済、科学、歴史、スポーツなど、あらゆるジャンルにわたる作品を募り、21世紀にふさわしいノンフィクションを推賞する」ために創設。より広く応募を募るためにオンラインでの応募受付も実施。選考会は7月4日、贈賞式は11月20日。ともに帝国ホテルにて開催する。

  • ・選考委員

    加藤 陽子 姜 尚中 藤沢 周 堀川 惠子 森 達也
  • ・賞

    正賞=記念品 副賞=300万円
  • ・発表

    「kotoba」秋号、「小説すばる」「青春と読書」ともに10月号

※2-1、2、3は集英社と共催。

2-4第32回「劇作家協会新人戯曲賞」の後援

この賞は、日本劇作家協会が、演劇界の未来を担う新しい才能の発掘のために設けたもので、新進劇作家の新作戯曲を公募し、劇作家による審査のうえ、優秀作品を顕彰する。この賞の運営に対して後援する。

  • ・最終選考審査員

    ※審査員はジェンダーバランス、これまでの応募者の希望、実績などをもとに選定。
    第31回は鹿目由紀、瀬戸山美咲、平田オリザ、前川知大、マキノノゾミの5名。
  • ・賞

    正賞=時計 副賞=50万円
  • ・発表

    最終候補作品(例年5〜6本)は日本劇作家協会が運営する戯曲デジタルアーカイブに掲載して広く一般に紹介する。最終審査会は11月中旬にオンラインで実施。受賞作発表後、ホームページに詳細や選評を掲載する。授賞式は12月にオンラインで開催し、式の模様や受賞者インタビューの録画動画は協会ホームページ内で公開。

2-5「岸田國士戯曲賞」の後援

劇作家・岸田國士の遺志を顕彰すべく、白水社が主催する戯曲賞。演劇界に新たなる風を吹き込む新人劇作家の奨励と育成が目的。1955年に新劇戯曲賞として設置、79年に岸田國士戯曲賞と改称され現在に至る。新人劇作家の登竜門とされる。選考対象は原則前年1年間に、雑誌・単行本で発表された作品、あるいは上演(選考委員の推薦が必要)発表された作品とする。令和8年2月に行われた第70回岸田國士戯曲賞は、大石恵美『よだれ観覧車』、蓮見翔『ロマンス』に決定した。授賞式は5月11日に日本出版クラブで行われる。第71回岸田國士戯曲賞選考会は、令和9年3月に行われる予定。この賞の運営に対し後援する。

  • ・選考委員(例年7名)

    第70回は市原佐都子、上田誠、岡田利規、タニノクロウ、野田秀樹、本谷有希子、矢内原美邦
  • ・賞

    正賞=時計 副賞=60万円
  • ・発表

    最終候補作品は1月下旬に白水社ホームページにて発表し、選考会は2月下旬〜3月上旬に行う。選考結果は選考会同日に白水社ホームページで発表。選評は受賞作単行本および白水社ホームページで発表する(受賞作が白水社から刊行されない場合は白水社ホームページのみ)。授賞式は5月に行う。

公3 文化講演会の実施、学術研究の助成

3-1『僕には鳥の言葉がわかる』出版記念講演会
「鳥も『言葉』を話している」(仮)

2025年1月に刊行され、1年で21万部のベストセラーとなった『僕には鳥の声がわかる』。著者は動物言語学者の鈴木俊貴氏。彼の研究をベースにした内容は世に幅広く受け止められている。この講演会では自身の最新のフィールドワークとともに鳥が持つ言葉の意味などをわかりやすく語り明かす。9月頃、時事通信ホール等都内ホールで100~250名招待して開催予定。オンライン配信・アーカイブ化も検討中。

3-2『鉄道写真 広田尚敬』発売記念講演会

200冊以上の鉄道写真集を出版し、鉄道写真のレジェンドとして知られる広田尚敬氏。70年代のSLブームや80年代のブルートレインブームを牽引した数々の名写真は鉄道ファンのみならず多くの人々の気持ちをつかみ、90歳を迎えた現在も現役の写真家として活躍。子供への写真教育にも取り組んでいる。彼が語る写真史は日本文化史の貴重な証言と言える。11月頃、都内にて100~150名を招待し行い、オンライン・アーカイブも検討中。

3-3『劇場という名の星座』刊行記念
小川洋子×井上芳雄トークイベント 「帝国劇場と私」

昨年改築のため惜しまれつつ閉館した旧・帝国劇場を舞台に作家・小川洋子氏が取材を重ね執筆した『劇場という名の星座』が3月に集英社から刊行された。著者が「帝劇」をテーマに、演劇、舞台、小説との関わり、そしてその魅力を実際に舞台にたった俳優・井上芳雄氏と語り合う。4月24日、時事通信ホールにて250~300名を招待して開催予定。

3-4集英社創業100周年記念企画
『中国現代文学ギャラリー』完結記念 講演会
「中国現代文学、その現在地――編集委員鼎談」(仮)

今年11月から刊行される『中国現代文学ギャラリー』は、1990年以降の約30年間に書かれた作品を対象に、テーマ別5巻で構成。刊行時における日本未収録作品や本国未発表である作品も含み全56篇、最終巻は来年3月5日刊行予定である。編集委員である飯塚容氏(中国文学者・訳者・中央大学文学部名誉教授)、濱田麻矢氏(中国現代文学、神戸大学大学院教授)、綿矢りさ氏(作家)の3名の鼎談を都内で150~200名招待し、令和9年3月に予定。

(3-1、3-2は小学館と、3-3、3-4は集英社と共催。いずれも参加費無料。新聞や雑誌、ホームページ、SNS等で講演会実施を告知。応募申込後、抽選のうえ、当選者に招待状、または招待メールを送る。)

3-5東洋文化研究会の活動を支援

東洋文化研究会は、作家の岩下寿之氏を会長とする民間任意団体で、1988年3月に設立。現在会員は国内外に250名。昨今は研究テーマをアジア各国から環太平洋に広げ、バランスのとれた国際情報を会員に発信している。世界の動きを見据えて各国で活躍している方々を講師に招き、会員各自の研鑽の一助になるような講演会を企画・実施する。この活動に助成する。

3-6一般社団法人K-BOOK振興会
第9回「日本語で読みたい韓国の本翻訳コンクール」への助成

本(K-BOOK・韓国の書籍)を通じて日韓の文化交流の拡充をすすめるK-BOOK振興会。2011年に設立され、20年に一般社団法人となった。小説家の中沢けい氏が代表理事を務める。出版関係者向けに「日本語で読みたい韓国の本」、読者向けに「日本語で読める韓国の本」の情報をホームぺージやSNSで発信。さらに優秀な新人翻訳家の発掘を行う「日本語で読みたい韓国の本翻訳コンクール」も手がける。令和8年度の第9回は、2月より選考をスタート、最終審査会は3月31日オンラインで実施、結果は4月に発表する。受賞作は7月7日発売の『文藝』2026年秋季号に掲載。贈賞式は11月21日・22日の「第8回K-BOOKフェスティバル」内で行われる。この第9回「日本語で読みたい韓国の本翻訳コンクール」に助成する。

3-7第19回「MOE絵本屋さん大賞2026」への助成

白泉社が絵本文化の発展と活性化を促すため2008年から主催している賞。売上げの8割が「古典(ロングセラー作品)」だった絵本の世界において、新たな作家や作品の支援および開拓を目的としている。全国の絵本専門店・書店の児童書売り場担当者3000人にアンケートを実施。発売から1年以内のおすすめしたい新刊絵本を選んでもらい、最も支持された絵本30冊を決定し、年間絵本ランキングを発表。読者(購入者)に目線を合わせた公平な審査となるよう、審査員を書店員に限定。絵本文化と書店への効果的な支援を継続している。選考は令和8年8月より全国の書店に案内のうえ投票開始(10月締め切り)。絵本専門誌「MOE 2027年2月号」にてランキング発表。新聞広告にて周知、令和9年1月27日(予定)、200人規模の贈賞式を日本出版クラブにて開催。この運営に助成する。

3-8一般社団法人 K-BOOK振興会「日韓作家ダイアローグ2026」への助成

日本と韓国の出版社が協働し、新しい文学交流の場を創出することを目的とする3日間のイベントが「日韓作家ダイアローグ2026」である。日本・韓国の創作者各10名、計20名ほどが一同に介する。小説・詩などの作家にとどまらず、映画・音楽・パフォーマンス等の表現者なども視野に入れる。具体的には公開シンポジウム、対談、ワークショップ等を予定している。場所はメイン会場が日本出版クラブ。ほか独立系書店、文化施設を活用する。一般の人達が参加可能なプログラムも用意。また本事業の成果として、記念冊子を2000部制作・販売する予定である。本を通じて日韓の文化交流の拡充をすすめるK-BOOK振興会内に実行委員会を設置する。この事業に助成する。

公4 社会福祉事業への助成

4-1社会福祉法人・全国手話研修センターへの助成

ろうあ者への手話指導、手話通訳者養成や手話のできる人材の確保を目的とし「手話の拠点」として設立された全国手話研修センター。手話検定試験事業と手話総合資料室事業を主に行っている。手話検定試験は一般、団体、インターネットで実施し、本年度は受験申込者数の目標を合計13000人とする。またインターネットを活用した手話学習ツールの普及拡大、学習セミナーの実施、手話試験面接委員の養成研修も実施している。第二の柱である手話総合資料室事業においてはろう教育やろう運動、聴覚障害福祉等に関する資料の収集、著作権・肖像権の処理、データベースの更新・公開を行っており、本年度は年間閲覧アクセス数5万回を目指す。前年度にスポーツ関連の手話資料収集・公開にも着手、日本の手話研究が国際的な手話研究に貢献できるよう環境整備を進めている。この事業に助成する。

4-2社会福祉法人・日本ライトハウスへの助成

全国の視覚障害者等に対する情報提供サービス事業の充実・発展に取り組む日本ライトハウスの情報文化センター。点字教科書・教材・考査の提供に向けた環境整備においては、近年の視覚的要素が強くなってきている教科書類に対応するべく点図作成の可能な点字プリンターを導入して対応、また点訳作業の専門化・高度化に合わせた製作方法の仕組み作りも進め、持続可能な支援体制を構築している。継続事業として、マルチメディアデイジー教科書・図書、テキストデイジー図書、テキストデータの製作・提供、シネマデイジーの製作・提供およびバリアフリー上映会、児童向け点字雑誌『アミ・ドゥ・ブライユ』の発行、点訳・音訳・電子書籍ボランティア養成、スキルアップのための各種講習会の開催および各地での研修指導事業も行っていく。この事業に助成する。

4-3社会福祉法人・日本点字図書館への助成

「音声デイジー図書」(録音図書)の中の“一ツ橋文庫”は、定評ある作家の新作や注目の新進作家の作品から選定した10タイトルを制作する予定。来館・郵送・サピエ図書館・インターネット配信等の方法で提供している。障害の程度により音や文字サイズ等を調整できる電子書籍「テキストデイジー図書」の製作・提供も行い、本年度は200タイトル以上の製作を目指す。インターネットを使用して複数人で録音図書を製作するシステム「びぶりお工房」は全国にボランティアが約90名在籍し製作事業の維持・安定において大きな役割を果たしている。本年度はこのサーバの更新を行い安定性・処理能力の向上を計る。生成AIについては引き続き日常的な製作支援ツールとして業務効率・製作体制の拡充のために活用していく。この事業に助成する。

4-4認定NPO法人 日本・雲南聯誼協会への助成

日本と中国の友好を願う人々に向けて中国の教育の推進を図るため、学校建設とその後のコミュニティ形成を支援する協会。令和8年度は前年に続き、雲南省紅河州河口瑤族自治県の小学校3校への支援、継続的な教育推進事業の視察及びフォローアップを行う。この事業に助成する。

4-5公益社団法人・日本図書館協会への助成

協会内の図書館災害対策委員会では、災害および事故等で被災した図書館の復旧、復興を支援する。また図書館の災害対策等に関する研修会への講師派遣も行う。原則として応募のあった2025年1月以降の災害及び事故並びに東日本大震災で被災した図書館で、復旧、復興に取り組んでいる公共図書館、大学・学校図書館、専門図書館、公民館図書館等に対し、審査を経て設備の復旧や図書購入等のための支援をする。この活動に助成する。

4-6一般社団法人 日本出版インフラセンター内
アクセシブル・ブック・サポートセンターへの助成

読書バリアフリー法(2019年施行)への対応を求められる出版界に対して「読書困難者の読書環境整備」と「出版社のアクセシビリティへの取り組み支援」を目的に23年日本出版インフラセンター内に設置された。主な活動は3つ。①「アクセシブル・ブックス」の啓蒙を目的に「ABSCレポート」の制作・配布、アクセシブルブックスに係るイベント情報等を掲載するホームページの運営、②音声合成読み上げ機能等に対応する「アクセシブル・ビューアー」のUI開発、③文部科学省・厚生労働省・経済産業省連携による「特定書籍等の製作に係るデータ提供のあり方について」の実証実験、以上3つを行っている。このうち「ABSCレポート」の作成とホームページの運営事業に対し助成する。

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